住宅型有料老人ホームは、有料の老人ホームの中でも高齢者が楽しく暮らすことを目的として運営されている民間の介護施設である。要支援や要介護の認定がなくても入居できる施設が多い。それだけでなく、要介護認定を受けている人でも入居が可能で、さまざまな要支援者と要介護者が混合して生活している点が大きな特徴だ。

この介護施設では、食事の提供や生活相談をはじめ、安否確認や見守りと言ったサービスを提供している。介護サービスを受けることも可能だが、利用したサービスに対して費用を支払う料金設定となっており、この点が介護付きの有料老人ホームと大きく異なる。ただし、毎月かかる介護サービス料金には上限が設けられている所が多いため、ある程度の予算を把握することは可能だ。

高齢者が楽しく暮らせる生活空間づくりを目標としている住宅型有料老人ホームでは、イベントやレクリエーションが豊富に行われている。入居者同士がコミュニケーションを取りながら、共同生活を送りやすい住環境が整備されている点もまた、大きな魅力と言える。前述したように利用者の介護度に幅があるため、当然ながら自立している利用者もいる。体力的負担を抑えながら働きやすいことは、介護職にとっての魅力だろう。

住宅型有料老人ホームへの入居にかかる費用は、施設によってさまざまである。ゼロ円で入居可能な施設もあれば、最初に敷金として数百万円が必要となる施設もある。毎月かかる月額利用料金は、どんな介護サービスを利用するかによって異なるものの、8万円から20万円程度が相場となっている。